船橋市に在住する外国人を国籍別にみると、二番目に多いのがベトナム人だということをご存じですか？　ベトナム人との交流をはかり、一緒に船橋を盛り上げようと、ベトナムloverが集まって実行委員会が立ち上がりました。目指すは「リトルベトナム船橋」！　その実行委員会の中から4名が座談会を開くと聞いて、お話を聞いてきました。

千葉県で一番多くベトナム人が暮らす船橋市で盛り上げていきたい

今回の座談会を企画したコムコムベトナム代表の古井敏博さんから、船橋市在住のベトナム人についてお話がありました。

「船橋市は、千葉県の中で一番多くベトナム人が暮らす地域です。夢と希望をもって日本にやってきたベトナム人がたくさん生活をしています。北部沿岸部やハノイ周辺の出身者が多く、留学や技能実習のために借金をしている方もいます。また、家族に仕送りをするために働いている方も多く、暮らしぶりは決して楽ではありません。ただ困っている人がいるとお互いに助け合う関係ができているので、私たちが彼らと友好関係を築いて盛り上げていきたいですね」

令和2年12月末住民基本台帳による外国人数（令和4年4月27日訂正）

千葉県公式サイト　上位10カ国・地域の市町村別外国人数より引用

伊藤宏美さんは、船橋ベトナム同好会を主催し、2017年と2018年にベトナム映画の映画上映会を開催しました。著書『ベトナム こんなとき何て言う？』、訳書『幼い頃に戻る切符をください』。ベトナム在住経験があり、ベトナム語を学ぶYouTube配信も。

中村仁志さんは、船橋市で起業して18年、有限会社DEPARTURES代表。4～5年前から日本語学校を通して留学生向けに携帯電話の説明や販売を行うようになり、卒業後の賃貸不動産の紹介や仕事のあっせんまでワンストップで行っています。最近はSNSに注力し、動画配信などにも積極的に取り組んでいます。

大貫愛さんは、ホーチミンの旅行会社で2年ほど働き、その後ハノイでは日本語教育のアシスタントに。コロナ禍で帰国後、HELLO GARDENスタッフとして働く傍ら、ベトナム語を勉強中。千葉市にあるZOZOの広場で2021年に開催されたイベント「HELLO VIETNAM ベトナムの食と雑貨と少数民族の美しき手仕事」や、イベントで販売されたZINE発行に携わりました。

『HELLO VIETNAM』について、「イベントの根幹には多文化共生というテーマがあったのですが、重くなり過ぎず一般の方がフラッと遊びに来られるようにお祭り感も出しました。この本にはイベント会場で伝えきれなかったことを、詰め込んであります」と大貫さん。ギュッと情報が詰まった一冊ですが、本当はもっともっと入れたい情報があったそうです。

「リトルベトナム船橋」として市民にベトナムを知ってほしい

ベトナム人との交流を深めれば深めるほど、尊敬すべき点が多いと言います。

何より家族を大事に思う気持ちが強く、日本人として学ぶことが多いと感じているそうです。遠く離れて暮らしていても家族を愛する気持ちは変わらず、その家族のために熱心に働きます。

また日本人にはない強いバイタリティも。コロナ禍で苦労することが多いはずなのに、決してくじけない強さを持ち合わせています。辛抱強く、あきらめないマインドを持ち、お互いに助け合って生きています。

支え合って生きているベトナム人と交流を深め、力を合わせて船橋を盛り上げていきたい、そして「リトルベトナム船橋」を広めたいと古井さん。「『リトルベトナム船橋』として、まずは市民の方にベトナムのことを知ってほしい。漁港の朝市などイベントへの参加や、リトルベトナム船橋大使の選出、船橋の魅力をSNSでベトナム語で発信、ベトナム楽器のコンサート、ベトナム武術体験など、いろいろ仕掛けていきたいですね」

次から次へと、アイデアは尽きません。すでに準備を始めているイベントもあるそうですので、今後の展開を楽しみにしていてくださいね。

今回の座談会はコムコムベトナムで開催されました

津田沼PARCOのA館6階にある、異国情緒たっぷりのベトナム料理店。ベトナム人にも愛される本場の味です。生春巻きやフォー、バインミーなど、豊富なメニューが楽しめます。

※2023年2月28日の津田沼PARCO閉館に伴い、コムコムベトナムは閉店。

※姉妹店のコムコムベトナム ネクスト船橋店も、2024年3月27日閉店。