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履物(下駄・草履)の楽しみ方とは? 保管の際に気をつけたいポイントも要チェック【あづまや履物店監修】

船橋最後の履物屋「あづまや履物店」の宝田さんに、下駄や草履などの選び方を聞きました!

以前、浴衣の効能・選び方・楽しみ方について紹介しましたが、そうなるとどうしても気になるのが浴衣に合わせる履物。“履物”って実は下駄や草履の総称なのだとか。

現代ではなかなか履く機会がない履物ですが、実は意外な効用もあるそうで……?

今回は、ぜひマスターしたい履物の選び方から保管の際に気をつけたいポイントまでお教えします。
お話を伺ってきたのは、履きやすさ・歩きやすさを追求した靴の提供にこだわるあづまや履物店の宝田さんです!

1.まずは履物選びから

 

履物は下駄や草履の中から場面や状況に合ったものを選ぶというのが基本なんだとか。
まずはそれぞれの違いを見ていきましょう!

下駄

下駄は一般に杉や桐などの木製で、足裏に“歯”と呼ばれる突起が付いているのが大きな特徴です。
また軽やかな音がなることから、その音が邪魔にならず雰囲気にマッチする祭りや普段履きなどの場面で履かれることが多いのだとか。
和装に合わせるのが基本ですが、その昔は洋装の際に履くこともあったのだそうです。

草履

草履は革やイグサなどの素材から作られたもので、平たく薄い形が特徴です。
そのため足の裏に均等に体重がかかり、土踏まずを作ったり外反母趾予防ができたりと健康面での効果もあるのだそう。
下駄と比べると格式高い履物とされており、成人式などで履かれた方もいるのではないでしょうか?

選ぶ基準は無い! 自由度の高さが魅力の履物

 

履物は鼻緒に足を通すだけというシンプルな形であることから、どんな足でも自由に履くことができるのだとか。

足の大小や厚さなどを問わず、誰でも履きこなすことができるこの自由度の高さが、履物の魅力なのだと宝田さんは言います。

 

筆者は普段下駄や草履を履く機会がなく、履物はとてもハードルが高いものなんだろうと思っていましたが、むしろハードルなんかありませんでした!

もちろん、上に書いたように場面や場所に応じて選ぶ必要はありますが、そうでなければ好きなものを好きなように履いていいのだそうです。

2.履物を長く使うには?

 

履物の保管方法

 

履物は、杉・桐やイグサなどの植物を乾燥させて素材としています。

となると、気をつけなければならないのが“湿気”。

湿度の高いところに置いておくと腐ったりカビが生えたり、ひどい場合は修繕が困難になるほど傷んでしまうため湿気は厳禁だそう。

 

そのため、履物は以下の3点に注意して大切に保管しましょう!

1.履いた後は泥や水分をふき取る

2.十分に水分をふき取った後、一日陰干しする

3.使わないときはなるべく高いところに置いておく

 

できるだけ湿度の低い環境で保管することが、履物を守る大事なポイントなのだそうです。

鼻緒が切れたら……

伝統的な縞柄の鼻緒
このほかにも花柄や水玉模様なども

よく「鼻緒が切れると縁起が悪い」などといいますが、縁起の良し悪しにかかわらず長く履き続けると鼻緒は消耗して切れてしまうそう。

そんなときは履物屋さんに持っていくと、鼻緒の修繕や交換をしてもらえます!

一度切れた鼻緒を何度も付け替えたり直したりしながら履き続けることで、一足の履物を長く使うことができます。
同じものを使い込むことで愛着もわいて、履物のよさがより分かりますね!

3.履物って実は健康にもいい!?

草履の色と鼻緒の柄の組み合わせもおしゃれにできます!

下駄や草履を履くと、鼻緒があるために自然と指が広がります。この足の指を広げる、というのが実は健康にいいのだそう。足の指を広げるのは血行促進や冷え性の解消、外反母趾の防止につながります。

また足の指の間にはたくさんのつぼがあり、広げることでそのつぼを刺激することにもつながるのだとか。

実際にはいてみたところ、日ごろどれだけ足を押さえつけていたのか分かるくらい快適でした…!

また、土踏まずを作るためには足の裏をしっかり使って歩くことが大事とのこと。

しかし、靴だと底が厚くクッションなどで過剰に足を保護してしまうため、土踏まずができにくくなってしまいます。それに対し、下駄や草履は足の底全面を使って歩くことになり、正しい重心移動が起こるので土踏まずの形成はもちろん、体のバランスを整えることにもつながるのだとか。

 

なによりの良さは、やっぱり長く使えること。
実際に宝田さんが体験した素敵なエピソードをご紹介します。

ある時、お店へ履物をお持ちのお客様が来たことがありました。その履物は鼻緒の前つばが切れていたので修繕したところ、そのお客様は「この履物は母からの形見で、自分が譲り受けたものです。また履けるようになって本当にうれしい」と大変感謝されました。

親から子へと受け継がれてなお使い続けられる履物。もしかしたらお家に眠っていませんか?

久しぶりに取り出して、ぜひ履いてみてください。きっと履物のよさを感じられるはずです。

今回お話をうかがったお店

店主 宝田さん

船橋仲通り商店街に70年近くお店を構える。
現在船橋で履物の修繕や鼻緒の交換が出来る数少ないお店のひとつ。

親御さんの代から続く履物店を守る宝田さん。

履物を取り扱い始めてこの道50年以上のプロフェッショナルです!

あづまや履物店

履物類

履きやすい、歩きやすい、婦人靴を数多く取り揃えています。サンダル、運動靴、スニーカー、履物など種類も豊富です。

船橋市本町4-43-21

店名あづまや履物店
住所船橋市本町4-43-21
連絡先047-422-0451

※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。

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