改正大気汚染防止法の施行により、令和5年(2023年)10月1日から、以下に定める資格者による解体・改修等の石綿事前調査が義務付けられます。
建築物等を解体、改造、または補修する場合には、アスベスト含有建材が使用されているかを確認するため、事前調査を実施する必要があります。
なお、船橋市では、吹付けアスベスト(綿状のものに限る)の分析調査や除去工事等の費用を一部助成する制度があります。詳細は建築指導課のページをご覧ください。
令和4年(2022年)4月1日から、石綿事前調査結果報告システムによる、建築物等の事前調査結果の報告が義務付けられました。システムの詳細については「石綿事前調査結果の報告に関するチラシ(環境省)」及び環境省「石綿事前調査結果の報告について」をご覧ください。)
なお、電子システムの使用が困難な場合は紙様式による報告ができます。提出先は船橋市役所環境保全課です。
事前調査結果報告書(紙様式)( Word様式 ・ PDF様式 )
アスベストのうち、「吹付けアスベスト」及び「アスベストを含有する断熱材、保温材及び耐火被覆材(ただし、非石綿部での切断除去を除く。)」の除去等を行う場合は、特定粉じん排出等作業実施届出書の提出が必要です。提出期限は作業着手の中14日前まで(15日前まで)です。詳細については環境保全課にお問い合わせください。
大気汚染防止法の一部を改正する法律(令和2年法律第39号。以下「改正法」)が令和3年4月1日から施行されています。改正法に係る省令・告示などの内容を以下に記載します。
なお、環境省から、改正内容に関する研修動画が公開されていますのでお知らせします。
環境省研修動画へのリンクはこちら
目次 |
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(1)石綿含有建材の除去等作業の際の石綿飛散防止 |
(2)事前調査の対象範囲の明確化 |
(3)作業中・作業後の確認事項 |
(4)罰則の強化 |
(5)報告・立入検査の対象の拡大 |
参考資料(環境省ホームページ) |
現行の「吹付け石綿」、「石綿を含有する断熱材、保温材及び耐火被覆材」に加え、以下の建築材料が「特定建築材料」に追加されました。なお、以下の建築材料については排出等作業実施届出書の届出対象外です。
届出の対象ではない特定粉じん排出等作業においても、当該作業開始前に作業計画を作成し、計画に基づいて作業を実施することが義務付けられています。なお、記載する事項については下記のとおりです。
石綿含有成形板等及び石綿含有仕上塗材について、新たに作業基準が設けられています。
イ | 切断・破砕等することなくそのまま建築物等から取り外すこと。 |
ロ | イの方法により特定建築材料(ハに規定するものを除く)を除去することが技術上著しく困難なとき又は作業の性質上適さないときは、除去する建材を薬液等により湿潤化すること。 |
ハ | 石綿含有けい酸カルシウム板第1種にあっては、イの方法により除去することが著しく困難なとき又は作業の性質上適さないときは、次に掲げる措置を講じること。 ・除去部分の周辺を事前に養生すること。 ・除去する建材を薬液等により湿潤化すること。 |
ニ | 除去後、作業場内の特定粉じんを清掃すること。ハの養生を行ったときは、当該養生を解くにあたって作業場内の清掃その他の特定粉じんの処理を行うこと。 |
除去時はイ、ロ又はこれと同等以上の効果を有する措置を講じること。
イ | 除去する石綿含有仕上塗材を薬液等により湿潤化すること。 |
ロ | 電気グラインダーその他の電動工具を用いて除去するときは、次に掲げる措置を講じること。 ・特定建築材料の除去を行う部分の周辺を事前に養生すること。 ・除去する特定建築材料を薬液等により湿潤化すること。 |
ハ | 除去後、作業場内の特定粉じんを清掃すること。ロの養生を行ったときは、当該養生を解くにあたって作業場内の清掃その他の特定粉じんの処理を行うこと。 |
事前調査の対象は「解体等工事」とされていますが、以下のものは「建築物等の解体等工事」に該当しないとされ、事前調査の対象としないと整理されました。
事前調査の方法が以下の通り規定されました。
新築工事に着手した日、建築材料を確認します。使用されている建築材料に石綿が使用されているか否かを、石綿(アスベスト)含有建材データベース等を使用して調査します。
現地で各部屋・部位を網羅的に確認し、書面調査との相違等を確認します。(ただし、現地での目視による調査を要しない建築物等については[1]の調査のみで構いません。)[1]・[2]の調査で石綿が使用されているか明らかにならなかった場合には、[3]分析による調査に移行します。
先述の[1]・[2]の調査で石綿が使用されているか明らかにならなかった場合には、同一材料ごとに代表試料を採取・分析し、石綿が使用されているか判定します。なお、石綿が使用されているものとみなす場合には、この調査を要しないものとします。
建築物の事前調査は、令和5年(2023年)10月1日から 以下に定める知識を有する者に実施させる必要があります。
分析調査は厚生労働大臣が定めるもの等(令和2年厚生労働省令第277号)に依頼してください。
なお、自主施工者である個人(解体等工事を業として行う者を除く)が、排出・飛散させる粉じんの量が著しく少ない軽微な工事(床、壁、天井等への家具の固定のための穴開けなど)のみを施工する場合は、必ずしも必要な知識を有する者に事前調査を実施させる必要はありません。ただし、個人であっても作業基準の遵守義務は適用されるため、専門家による事前調査を推奨します。
事前調査の結果については、作業開始前まで(届出対象特定工事の場合には工事開始の14日前まで)に元請け等業者から発注者へ説明することとされ、説明事項については以下のとおりとされました。(太文字は特定工事に該当する場合)
また、説明の書面の写しは後述「5.事前調査結果の報告」とともに、工事終了後3年間保存することが義務付けられています。(保存は紙媒体でも電子データでも構いません。)
一定規模以上の工事を行う場合、石綿の使用の有無にかかわらず、元請業者等は事前調査結果を市に報告しなければなりません。また、その記録は先述「4.元請け業者等から発注者への説明事項・説明書面の保管義務」の説明書面とともに3年間保存することが義務付けられます。(保存は紙媒体でも電子データでも構いません。)
義務付け適用は令和4年(2022年)4月1日からであり、報告は新たに整備される石綿事前調査結果報告システム(石綿障害予防規則と共通のシステム)によって行われます。(電子システムの使用が困難な場合には書面によって行うことができます。)
システムは令和4年3月18日に本稼働が始まります。詳細は環境省の報道資料及び環境省「石綿事前調査結果の報告について」のページをご覧ください。
報告事項は以下のとおりです。なお、平成18年9月1日以後に設置の工事に着手した建築物等の解体等工事に該当することが明らかな場合は、太文字の事項に限ります。
また、工事を同一の者が二以上の契約に分割して請け負う場合においては、これを一の契約で請け負ったものとみなします。
解体等工事の元請業者等は、事前調査に関する記録を作成し、その写しを解体等現場に備え置かなければなりません。なお、備え置きの方法については紙媒体でも電子データでも構いませんが、施工者や市の立入検査の際に確認できる状態でなければなりません。記録事項は下記のとおりです。なお、平成18年9月1日以後に設置の工事に着手した建築物等の解体等工事に該当することが明らかな場合は、太文字の事項に限ります。
事前調査結果・特定粉じん排出等作業に係る掲示については、JISに定めるA3以上(42.0cm×29.7cm。縦横はどちらでも可。)と大きさが定められました。なお、掲示場所についてはこれまでと同様「公衆の見やすい場所」です。事前調査結果と作業実施の掲示は1枚に集約することもできます。石綿則の掲示と兼ねることもできますが、その場合、石綿ばく露防止対策の実施内容を記載するほか、作業者の見やすい場所に設置することが必要です。
当該掲示については、解体等作業の開始から終了まで、工事期間を通して行うことといたします。
掲示事項は以下のとおりです。今般の改正により追加された事項は太文字で示します。
掲示事項は以下のとおりです。
集じん排気装置の正常稼働及び負圧確保について、以下のとおり確認頻度が強化されました。(今般の改正により設けられた部分は太文字で示します。)異常が認められた場合は作業を中止し、装置の補修その他必要な措置を講じることが義務付けられています。
確認事項 | 頻度 | 確認方法 | |
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集じん排気装置が正常に稼働しているか | ・初めて除去等を行う日の作業後速やかに ・除去等を行う日の開始後 ・集じん排気装置を使用する場所を変更した場合、フィルタを交換した場合 ・その他必要のある場合(集じん排気装置に衝撃を与えた場合等) | ・粉じんを迅速に確認できる機器(デジタル粉じん計・パーティクルカウンター・繊維状粒子自動測定器)を使用 ・作業前と比較して粉じん濃度が上昇していないことを確認 | |
作業場及び全室が負圧に保たれていることの確認 | ・除去を行う日の作業開始前 ・作業中断時(休憩や当日の作業終了で退室したとき) | ・微差圧計による測定及び目視での空気の流れの確認(スモークテスター等) ・負圧が確保されていることを確認 |
特定工事の元請業者等または下請け人は、特定工事における施工の分担関係に応じ、特定粉じん排出等作業の実施状況の記録をとり、特定工事が終了するまで保存することが義務付けられています。なお、保存は紙媒体のほか、電子データでも構いません。
記録事項は下記のとおりであり、適応した作業であることが確認できる写真・動画・点検記録等をとる必要があります。
特定工事の元請業者は、各下請負人が作成した特定粉じん排出等作業に関する記録により、当該工事における作業が、作業計画に基づき適正に行われていることを確認することが義務付けられています。
なお、下請負人が作業に従事しない場合における特定工事の元請業者・自主施工者については、先述「2.作業中の記録の作成・保存」に基づき自ら記録を作成することをもって確認します。
元請業者等は、特定建築材料を除去し、囲い込み、または封じ込める作業の完了後(他の場所から隔離したときは隔離を解く前に)、取り残しがないか、または、措置の適正な実施がなされたかを、以下に定める知識を有する者に目視で確認させる必要があります。
元請業者は特定粉じん排出等作業が完了したときは、発注者に対して結果を書面で遅滞なく報告しなければなりません。なお、報告する事項は下記のとおりです。
特定工事の元請業者は、当該作業に関する記録を作成し、書面の写し及び記録を保存しなければなりません。保存期間は特定工事終了後3年間です。記録事項は下記のとおりです。
吹付け石綿及び石綿含有耐火被覆材等の作業について、行わなければならない措置及び方法に違反があった場合、直接罰則が適用されます。詳細は下記のとおりです。
作業の種類 | 方法 |
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除去 | (1)かき落とし、切断、又は破砕することなく取り外す方法 |
(2)除去を行う場所を他の場所から隔離して前室を設置し、除去を行う間、JIS Z 8122に定めるHEPAフィルタを付けた集じん排気装置を使用する方法 | |
(3) (2)に準ずるものとして環境省令で定める方法(グローブバッグ等) | |
当該特定建築材料からの特定粉じんの飛散を防止するための処理 | 囲い込み又は封じ込め(吹付け石綿の囲い込み若しくは石綿を含有する石綿含有断熱材等の囲い込み等(切断、破砕等を伴うものに限る。)を行う場合、又は吹付け石綿の封じ込めを行う場合は、作業を行う場所を他の場所から隔離し、囲い込み等を行う間、隔離した場所においてJIS Z 8122に定めるHEPAフィルタを付けた集じん排気装置を使用する方法) |
罰則の内容…3月以下の懲役又は30万円以下の罰金
特定工事の元請業者及び自主施工者に加え、下請負人も作業基準の遵守義務の対象になりました。このため、請け負った特定工事の全部または一部を他者に請け負わせるときは、その者に対して特定粉じん排出等作業の方法等を事前に説明する必要があります。
自治体が行う報告徴収及び立入検査の対象となります。(対象は特定工事の施工分担範囲)
対象に下請負人、営業所、事務所等その他の事業場が加わりました。また、報告させることができる事項も規制強化に伴い追加されました。
検査の対象は以下のとおりです。新たに追加されたものは太文字で示します。
報告させることができる対象は下記のとおりです。
環境省でもマニュアル等を掲載しています。