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パラ閉会式に出演した2人のパフォーマー

更新日:令和5(2023)年7月19日(水曜日)

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※この記事はバックナンバーです。

今年の夏開催された東京2020オリンピック・パラリンピックは、日本中に多くの感動を与えてくれました。その中で、9月5日に行われたパラリンピック閉会式のオープニングに出演した後藤仁美さんとフィナーレに出演した小汐唯菜さんは、ともに船橋市出身のパフォーマーです。会場を大いに盛り上げた2人を紹介します。

小さな体で迫力のドラム!後藤仁美さん

閉会式のオープニングパートでドラム演奏を担当した後藤仁美さんは、身長や手足が伸びない先天性の難病「軟骨無形成症」で、身長115 cmの小さなモデル・俳優・イラストレーターとして活動しています。

後藤さん 後藤さん

10月7日、閉会式出演を船橋市長に報告する後藤さん

ドラムとの出会い

ピアノ教室をやっていた母の影響で音楽に興味を持った後藤さん。指が短くてピアノは難しく、そのかわりに母が昔やっていたドラムをやってみたら?と言われて10歳の頃に始めたのがドラムとの出会いです。高校時代は友達とバンド活動していて、「ドラムをやっていると言うとびっくりされます。小さい体で一番できなそうな楽器だと思います。でも、みんなが意外だと思うことをするのが好きですね」と笑います。

学校での思い出

後藤さんは幼稚園から高校まで船橋市で過ごし、「船橋で育ったおかげでのびのび出来ている」と振り返ります。「小学生で周りと違うことに気づき始めたのですが、先生たちがとても理解がありました。マラソン大会ではずっと、みんなの半分の距離を走っていましたが、小学4年生の時に『同じ距離を走りたい』と先生に相談すると、スタートを早くして完走させてくれたのが、今でもいい経験です」と感謝を話します。

 閉会式に出演して思うこと

閉会式出演は、俳優活動でお世話になっている会社から、障害者で楽器ができる人を探していると話があり、軽い気持ちで「ドラムできます!」と動画を送ったことがきっかけ。「その時はまさかパラリンピックの閉会式だと知らなくて驚きました」と当時の心境を語ります。

当日は、ピンクの髪色、色鮮やかな衣装で登場。高所にあるリフターステージで、小さい体が分かるように、立った状態でパフォーマンスを披露しました。「選手の方がすごく盛り上がっていて、ずっとワクワクした気持ちだった。みんなが楽しんでいる感じが伝わったんじゃないかな」と熱かった会場の様子を伝えます。

後藤さんツイッター画像

閉会式の衣装(後藤さんのツイッター@chibitter115より引用)

 障害がある人もない人も一緒の世界に

後藤さんは自分の好きなことや普段の様子を伝えるため、10年前からSNSなどで発信をしています。「知ってもらうことで、さまざまな場に出させてもらう機会も増えました。これから健常者も障害者も一緒に活動できる場がもっと増えて、映画やドラマなどに当たり前の存在として出られるようになりたい」と今後の目標を話します。

「閉会式では、障害のある人もない人も一緒に参加していましたが、その中で障害がある人が誰なのか分からない状態でした。それが本来の世界の在り方ではないかと思います」と出演を通して感じたことを語りました。

透き通る歌声 小汐唯菜さん

閉会式終盤で「what a wonderful world(素晴らしい世界)」のソロパートを透き通る声で歌い上げた高校生、小汐唯菜さん。生まれつき視覚に障害がある小汐さんは、3歳~中学3年生まで船橋市で過ごしました。現在、筑波大学附属視覚特別支援学校高等部音楽科に通い、日々音楽の勉強に取り組んでいます。

小汐さん

声楽を習って2年でコンクール入賞

小さいころから音楽が好きで、10歳のとき、友達のお母さんが通う音楽教室の発表会を見に行き、「私もああいう風に歌ってみたい」と思ったことから本格的に声楽(※)を習い始めました。

才能が開花し、声楽を習い始めてわずか2年目の小学6年生で、全国の盲学生を対象とする「ヘレン・ケラー記念音楽コンクール」入賞を果たします。同コンクールは、現在ピアノで国際的に活躍する辻井伸行さんも過去に受賞するなど、若手音楽家の登竜門となっています。

(※)人の声による音楽。独唱・重唱・オペラ等

楽しめた閉会式のパフォーマンス

今回、パラリンピック閉会式の出演は、「母がオーディションの告知を見つけて、大きな舞台で歌うのは楽しそうだなと思って応募しました」と経緯を話します。応募してから結果が出るまで1年ほどかかり、「まさか自分が合格できるとは思いもよらず、メールで連絡を受けた時はびっくりしました」と振り返ります。

閉会式での様子をたずねると「本番前、共演したピアニストの西川悟平さんに控室で伴奏をしていただいて一緒に歌えたことで緊張がほぐれ、西川さんの声かけで笑顔で楽しく歌えました。楽器の音の響き方がいつも歌っている室内と違っていて、楽しかったです」と貴重な体験を笑顔で話しました。

これからはもっと活動の幅を広げて

閉会式後、知人から「びっくりした!」「出ていたね」などの反響がありました。また、共演をきっかけに西川さんのライブ配信に呼んでもらうなど環境に変化があり、実名でTwitterも始めました。「今までは音楽を続けながら大学を卒業し、一般企業に就職、と思っていましたが、出演を機にもっと音楽活動のできる場を広げていきたいと考えるようになりました」と夢も膨らみます。

今後について、「障害者が健常者と同じ学校に通えるような教育が整備されるよう、音楽活動を通じて資金を募り支援できたら」と、障害がある子どもたちの教育支援を目指します。

小汐さん

授業の様子。通常の楽譜は読めないので点字楽譜を使います

小汐さんが学校の定期演奏会で歌声を披露

10月21日に筑波大学附属視覚特別支援学校高等部音楽科の定期演奏会が行われました。歌った様子をこちらからご覧いただけますので、ぜひお聞きください。

※画像をクリックするとYoutubeサイトに移行します

こしお歌唱

曲名:O del mio amato ben (私の愛していた人)

Twitterアカウント

後藤仁美さん @chibitter115

小汐唯菜さん @koshio_singer

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