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市と金沢大が連携し、下水中の新型コロナウイルス遺伝子を調査

 船橋市は金沢大学理工研究域地球社会基盤学系 本多了教授と令和2年10月12日(月曜日)に協定を結び、市内の高瀬・西浦下水処理場に流入する下水を提供しています。

1.連携・協力の目的

 市と金沢大学が締結する協定に基づく調査研究は、(公社)日本水環境学会の取組みにも参加している同大学と民間企業(株式会社建設技術研究所・株式会社環境総合リサーチ)が共同研究で実施しているものです。市は、下水と併せて処理区域内の療養中の感染者数及び新規感染者数を提供しています。
 研究の結果により、無症状者を含めた感染状況の全体像の把握が期待でき、更に研究が進めば、新型コロナウイルス感染拡大の兆候を早期に予測できる可能性があります。

2.連携・協力の内容

(1)令和2年10月から令和3年3月までの内容

〇船橋市:市内下水処理場2カ所(高瀬・西浦下水処理場)に流入する下水および処理区域内の療養中の感染者数及び新規感染者数の提供

 高瀬・西浦下水処理場では令和2年6月から週2日の頻度で調査に使用する下水を採水し、冷凍保管してきたものを含めて、下水を提供してきました。

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〇金沢大学:下水中の新型コロナウイルス遺伝子検出手法の最適化および濃度を指標とした流行検知の精度検証

(2)令和3年4月以降の変更点

 令和3年4月以降も金沢大学と連携した新型コロナウイルス遺伝子に関する調査研究を続けることになりました。
 これまでの内容に加え、感染者の多い地域を絞り込む手法の検討を目的とした小流域(狭い区域)における採水を行うとともに、下水処理場において、流入する新型コロナウイルス遺伝子の時間的変動の調査研究も行います。

3.連携・協力の期間

令和2年10月12日から令和4年3月31日まで

4.中間報告

(1)第1回中間報告(令和2年10月から令和3年3月末までの研究分)

〇令和2年10月から令和3年3月末における調査研究の報告概要は、以下の通りです。

(調査期間:令和2年7月27日から令和3年1月25日)

・分析の結果、下水より採取した検体の一部(34検体中17検体)に新型コロナウイルス遺伝子が含まれていることが確認できました。しかし、検体に含まれる新型コロナウイルス遺伝子の濃度が低く誤差が大きいことから、数値として示せるまでに至っていません。
・ただし、療養中のPCR陽性者数が少ない時期においても、新型コロナウイルス遺伝子が確認できており、無症状者の存在を示せる可能性がある結果が得られています。

※下水からの新型コロナウイルス遺伝子の検出は、ウイルスの存在痕跡を示すものであり、感染力のあるウイルス病原体の存在を示すものではありません。

 なお、報告の詳細については、「資料2(金沢大学からの中間報告資料)」を参照願います。

(2)第2回中間報告(日本水環境学会COVID-19タスクフォース第二回WEBセミナー)

 「日本水環境学会COVID-19タスクフォース」のWEBセミナー(令和3年9月16日開催)において、金沢大学本多先生より「陽性カウント数(同じ試料で繰り返し分析して検出された回数)を用いた療養者数の増加確率の推定」の報告が行われました。報告の概要は以下の通りです。

(調査期間:令和2年7月27日から令和3年5月24日)

・採取した試料を3回に分けて検査し、その陽性カウント数(0~3回の4値化)によって濃度レベル分けを行い、その後の療養者数との関係について推定を行いました。

・陽性数が多く検出された場合には、採水した日から3日後~10日後までの1週間の療養者数が増え、検出されなかった場合には減る傾向が確認できました。

・この結果は、下水を調査することで、約1週間後の療養者数の増加・減少の傾向を予報できる可能性を示しています。

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 なお、報告の詳細については、「資料3(陽性カウント数を用いた療養者数の増加確率の推定(抜粋))」を参照願います。

5.最終報告

 市と金沢大学の協定に基づく調査研究(令和2年10月から令和4年3月末)について、中間報告に引き続き、12月末までの下水試料分析を踏まえ、下水中の新型コロナウイルス遺伝子が比較的高い頻度で検出された第5波(9月末)までの期間で再検証を行い、本協定の最終報告資料としてとりまとめました。

(調査期間:令和2年7月27日から令和3年12月31日)

下水中の新型コロナウイルス濃度を指標とした流行検知の精度検証

 第2回中間報告の「陽性カウント数(同じ試料で繰り返し分析して検出された回数)を用いた療養者数の増加確率の推定」について、令和3年12月末までの下水の分析を行い、ワクチン普及率等の状況を勘案し、令和3年9月末までを対象に再検証を行いました。結果の概要は、以下の通りです(最終報告資料P.11~P.18)。

・下水中の新型コロナウイルス遺伝子の濃度が低い場合も、陽性カウント数を用いることで流行の傾向を把握できる可能性が確認されました。

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小流域(狭い区域)における採水の分析結果

 感染者の多い地域を絞り込む手法の検討を目的として、高瀬処理区及び西浦処理区の「大型商業施設が集約するエリア」「繁華街を含むエリア」「病院や福祉施設等が位置するエリア」「感染者受け入れ施設が位置するエリア」「処理場までの流下時間が長いエリア」において、週1回マンホールの中を流れる下水を採水し、感染者の推移等を勘案し9回分の分析を行いました。結果の概要は以下の通りです(最終報告書資料P.4~P.9)。

・下水処理場で新型コロナウイルス遺伝子が不検出であっても、小流域(狭い区域)における採水において検出されている場合があることが確認されました。

・マンホール採水によって感染者がより多い(少ない)地域を想定できる可能性が確認されました。

下水処理場に流入する新型コロナウイルス遺伝子の時間的変動の分析結果

 下水処理場における新型コロナウイルス遺伝子の時間的変動の確認を目的として、高瀬下水処理場及び西浦下水処理場において、1時間毎の採水を24時間行いました(令和3年7月5日午前9時から7月6日午前8時まで)。結果の概要は、以下の通りです(最終報告試料P.10)

・人の活動が少ない22時から翌朝7時は、新型コロナウイルス遺伝子は検出されませんでした。

・13時から14時に新型コロナウイルス遺伝子が最も多く検出されました。これは昼食時間帯(12時から13時)の排水が、13時から14時に下水処理場に流入しているためと考えられます。

最終報告資料について

 本協定の最終報告資料については、「資料4(下水中に含まれる新型コロナウイルス調査に関する連携協定の最終報告資料)」を参照願います。

(研究段階であることから、皆様へのご報告が可能な範囲の研究結果を取りまとめたものとなります。)

 最終報告資料に関するお問い合わせ

(注)最終報告資料に関するお問い合わせ以外には、お答えできない場合がございますので、ご了承下さい。

   金沢大学 地球社会基盤学系 本多了 Mail:rhonda@se.kanazawa-u.ac.jp

   株式会社 建設技術研究所 お問い合わせサイト:http://www.ctie.co.jp/contact/  

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