夏はやっぱり麦茶！
本日は、麦茶の原料であり、古くから消化を助ける薬効が知られている大麦の栄養と東洋医学的薬効について解説します。

大麦は人類最古の作物の一つで、原産地は西アジア地域とされています。日本では飼料や麦茶、麦芽糖、ビール、味噌、醤油、焼酎の原料として広く利用されています。

現代栄養学のお話。
食物繊維：水溶性食物繊維と不溶性食物繊維とほぼ同じぐらい含まれている良性食物繊維で、β‐グルカンが含まれ、腸内環境の改善やコレステロールを下げるなどの機能があります。

また、麦芽には二種類のデンプン酵素が含まれ、デンプンの消化を促進します。また、麦芽の水溶成分は胃酸やタンパク酵素の分泌を促進する効果があります。

麦茶の原料の大麦ですが、カフェインが含まれていないので、小さな子供や妊娠中の方でも安心して摂取できます。

次に、東洋医学的効能です。
いくつかありますが、
清熱消渇(セイネツショウカツ)→体にこもった余分な熱を収めて、糖尿病を改善する。暑い夏にぴったりですね！

益気調中(エッキチョウツウ)→元気を高めて胃腸の機能を回復する。

大麦は「微温性」で栄養のバランスが良く、多くの体質タイプに利用できますが、消化しにくい為、胃腸の弱い方、下痢しやすい方は胃腸の負担になりやすいので控え目に。
市販の青汁の原料となっている大麦の苗は「涼性（熱を冷ます性質）」で、熱っぽい方や、高血圧の方には良いです。
また、消化不良のある食べすぎの方には食物繊維豊富な大麦苗が合うので積極的に摂りましょう。

大麦は栄養価が高く食感は滑らかで米より香りがよいですが、食卓にはまだあまり見られないようです。米と半分ずつの割合でご飯を炊くのもよいし、食べ過ぎたときは、大麦飯(大麦だけを炊く)もお薦めします。また、大麦を水に漬けて一日おいた後、水から出して布で包んで毎日少しずつ水をかけて発芽させ、その発芽した大麦を炊いて食べるのもお薦めです。

参考文献：『東方栄養新書』『栄養素図鑑』

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