本日は、6月から9月が旬のなすの栄養と東洋医学的薬効について解説します。

「秋なすは嫁に食わすな」と言われていますが、おいしいから嫁に食べさすのは勿体無いという意地悪な意味と、体を冷やすのであまりよくないという意味の二つが知られていますが、これはどちらも間違いではないようです。

夏なすよりも秋なすの方が美味しいのは、夏のなすは厳しい暑さのため成長時にアミノ酸などのうま味を充実する余裕がなく、一方、秋のなすは、気候が一段落してうま味を充実させる余裕ができるからだと言われています。

「このうま味が増したなすを食べさせたくない！」という姑の意地悪な気持ちから、「秋なすは嫁に食わすな」という慣用句が生まれたというのが一説です。

もうひとつの体を冷やす作用ですが、東洋医学からみても西洋医学からみてもなすは体を冷やすとされています。

現代栄養学のお話。
なすはカリウムを多く含みます。カリウムと水分を多く持つなすは利尿作用に優れており、尿とともに体の熱を逃してくれるため、効果的に体温を下げることができるのです。

また、なすの紫色の皮にはポリフェノールが含まれており、抗酸化作用により、老化の予防にもなります。

次に、東洋医学的効能です。
いくつかありますが、
清熱(セイネツ)→体にこもった余分な熱を収める

消腫止痛(ショウシュシツウ)→利尿作用で、熱っぽい腫れを解消すると同時に痛みを止める。

なすは「寒性」で、気を降ろす作用があり、冷やす性質の強い野菜です。
熱っぽくて、のぼせやすい方には適した野菜です。

胃腸を冷やすため、小児、冷え性の方には適していませんが、少し生姜を加えることで「寒性」を和らげることができます。

上手な栄養の摂り方は、皮にポリフェノールや毛細血管を丈夫にするビタミンPが含まれているので皮は剥かずに料理することがおすすめです。また、煮ると栄養素が水に溶け出すのでスープも飲むようにすると良いでしょう。

参考文献：『東方栄養新書』『栄養素図鑑』

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