「子ども市議会」は、子どもたちに市政の仕組みを理解してもらい、また子どもならではの意見を取り入れようと昭和54(1979)年に始まりました。その後、原則4年に1回開かれています(令和2(2020)年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止)。
児童・生徒記者(通称:子ども記者)の子どもたちが、実際の市議会さながらに市長らに質問を投げかけます。
最近、能登半島地震や南海トラフ地震など、大きい地震が多発しています。船橋の地形を活かした市独自の備えはありますか。
また、市長や災害対策に携わる職員は、災害に強い船橋にするため、普段どんなことを心掛け、どのように取り組んでいるのですか。
日本ではとても大きな地震が続けて起きていて、令和6年の元日に起きた能登半島地震の被災地は、今でも大変な状況にあります。船橋は海に面しているため、津波や高潮など、まずは海水を陸地に入れないことが大事です。海老川河口にある海岸保全施設は、国や県による建設から50年以上が経過し、大規模地震に対する耐震性を有していない状況です。長年の要望を続けてきたことで、令和4年から15年までに国が300億円の予算を投じて整備することが決定し、現在も工事が進んでいます。
災害対策では、市民の皆さんの命を守ることを最優先に、市医師会や関係機関との連携により医療体制を、民間事業者との協定により津波の一時避難場所を確保しています。市はこれまで、災害時に他の自治体等から支援を受けたことがないため、被災地への職員派遣時には、学ぶという姿勢も持ち、派遣職員からの報告を大切にしています。

船橋市をはじめ、珠洲市に集結した派遣職員
災害発生時は、避難所の設置や運営が大切であると報道されていました。 市が特に力を入れている災害対策について、地震・風水害それぞれの対策を教えてください。
震度5強以上の地震発生時には、水や食料、携帯トイレ、毛布などを備蓄している市立小中学校など128カ所の避難所を開設します。
洪水や土砂災害などの可能性がある時は、まずは公民館や小学校など28カ所の避難所を開設します。これまで河川の整備などを行ってきたことで、大きな洪水は起きにくくなっています。今後も雨水が川へ流れ込むのを抑えるために、学校の校庭や校庭の下に、一時的に雨水を貯めたり、地下に浸透させたりする施設の整備を行っていきます。
船橋市には道路が狭いところがあり、トラックとランドセルがぶつかってしまったという話も聞き、危険を感じます。ガードレールがへこんでいたり、カーブミラーが壊れていたり道もあるので、定期的に点検・修理をしてほしいです。
皆さんが安心して道路を使えるように、市ではどのような工夫をしていますか。
市では、国道や県道を広げてもらうよう、国や県に要望したり、市道について安心して道路が使えるよう、広い道路の整備や歩道の拡幅をしたりするなど、さまざまな事業を実施しています。
一方でこれらの事業は、土地を持っている人の協力が必要であり、長い時間がかかります。歩道がない狭い道路でも安全に歩けるようにするため、警察と連携し車両の制限速度を時速30キロメートルにしたり、ゴム製のポールを立てたりして歩行者の安全・安心を高める「ゾーン30プラス」事業を行っています。
ガードレールやカーブミラーは、市でも定期的にパトロールをし確認しています。現在、道路の悪い状況をLINEで手軽に通報できるようにしています。ぜひ「友だち登録」をしてみてください。

S D G s(持続可能な開発目標)の中でも、地球温暖化対策となる二酸化炭素の削減はとても大切なこととされています。市では、二酸化炭素を減らすために取り組んでいることはありますか。
また木が生い茂った公園は、死角ができるため、危険を感じます。自転車やスケートボードの練習場所が確保されていないことで、人とぶつかってけがをしたという話も聞いています。木の剪定や自転車等に乗れるスペースを確保することで、見通しの良い安全・安心な公園づくりはできないのでしょうか。
市では、2050年までに二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすることを目指すと令和3年3月に宣言しています。目標達成に向け、小学校での環境学習のほか、住宅に太陽光発電設備を取り付ける場合や、電気自動車を購入する場合等の費用を一部補助しています。
小中学校や公民館などの避難所施設に太陽光発電設備の取り付けも進めています。また、清掃工場でごみを燃やす時の熱を利用して作った電気などを使うことで、市役所本庁舎の温室効果ガス排出量を、千葉県で初めて実質ゼロにしました。下水処理場でも、微生物の力で発生させた消化ガスを燃料として、電気を作っています。地球温暖化を防ぐため、使用していない部屋の電気は消すなど、自分ができる温暖化対策を今日から実践してみてください。
公園内では、定期的に木の枝を切ったり、草刈りを実施したりしているほか、適切に夜間照明を設置することで、皆さんが安全に利用できるように管理しています。危険なところは市に連絡いただき、対応方法を相談させてください。
また、公園は皆さんより小さい子どもや高齢者も利用するので、安全確保のために公園内での自転車などの利用は禁止しています。皆さんのご協力をお願いします。

農地へのごみのポイ捨てや、三番瀬へのプラスチックごみの流出によって引き起こされる問題は、市の名産品である農水産物にも影響を与えます。
今後、市ではごみのポイ捨てへの対策や清掃活動、農地や三番瀬などの自然環境の保護をどのように考え、取り組んでいきますか。
自然環境の保護は大切な課題であり、行政と市民の皆さんが同じ意識で取り組む必要があります。ごみのポイ捨てへの対策や清掃活動は、地域住民などの団体による自主的な清掃美化のほか、市民の皆さんが参加する清掃活動イベント「クリーン船橋530の日」なども実施しています。自然は一度壊れてしまうと、取り戻すまでに壊した時の何十倍もの時間がかかるため、皆さんも学校や家庭での取り組みにご協力ください。

「船橋をきれいにする日」も実施
利用者や歩行者のマナーの悪さが目立ちます。たばこのポイ捨てなどのマナー違反に対して、何か厳しく罰則を設けたり、喫煙所を整備したり、大人の路上でのマナー向上のための取り組みはできないでしょうか。
平成16年10月から「船橋市路上喫煙及びポイ捨て防止条例」により、道路や公園など公共の場所での喫煙やポイ捨て行為をしないよう努めることを規定しています。巡視員が見回りなどを行い、重点区域では直ちに過料2000円を科し、区域外では勧告を行った結果、ポイ捨てや路上喫煙をする人は減っています。
また、喫煙者への配慮と罰則強化との相乗作用を目的に、違反者が最も多かった船橋駅北口に指定喫煙所を設置しました。

船橋市は姉妹都市・友好都市との交流に力を入れていて、7月には私の通う船橋中に、中国・西安市の育才中の皆さんが来てくれました。しかし、子ども市議会での質問を考える事前説明会で、他の中学校の皆さんには、このような交流があると、ほとんど知られていないことが分かりました。
より良い船橋市をつくっていくためには、まずは知ってもらうことが必要です。皆さんとの話し合いでは、ふなっしーなど知名度の高い方々とのコラボや、インスタグラムなどSNSを活用する意見が出ました。今後の市の取り組みを教えてください。
西安市との学校間交流は平成7年から始まり、令和6年で30年になります。市からは4年に一度、市内の小中学校、市立船橋高校の児童生徒約40人を教育友好使節団として西安市へ派遣しています。
今回の来日はは8年ぶりの交流で、参加者や行程などの調整を直前まで行っていたため、事前のお知らせ等ができませんでした。今後予定されている友好都市との交流はSNS等でも積極的に発信していきます。

記念品を交換し合う両校の生徒たち
市の魅力は、市ホームページ内の魅力発信サイト「FUNABASHI-Style」のほか、SNSを使った情報発信にも力を入れています。X、YouTube、Facebookに加えて、令和6年3月からは市公式インスタグラムを開設しました。
また、メディアを通して船橋の魅力を皆さんに知ってもらえるよう、特産品を試食してもらうプレスイベントや、映画・ドラマなどのロケ支援を積極的に行っています。他にも、旅行雑誌型フリーマガジンの発行など、市の魅力が多くの人の目に触れられるよう努めています。
児童生徒がスポーツや読書に親しめるよう、スポーツ設備や用品、図書を充実させることはできないのでしょうか。
また、水泳の授業の時期を雨天による中止を減らすため、6月から9月に変更する、苦手な人のために他の種目との選択制にするなどの対応はできないのでしょうか。
学校では校長先生を中心に予算について話し合いながら、必要なものを計画的に購入しています。図書やスポーツ用品は、児童生徒の皆さんから定期的に希望を聞いて購入しています。
できるものを実現させることは、皆さんが好きになる学校づくりに大切なことと考えています。教育委員会からも各学校の校長先生に声を掛けていきます。
学校では、児童生徒が夏休みに海やプールで過ごす時間が多くなることから、水の事故が起きないよう夏休み前に水泳を学習し、水に慣れることが大切であると考え、6・7月に授業を行う学校が多いです。水泳が得意でない人にも、学習を通して水に慣れ、技術を習得してほしいと考えています。

学校によってICT化の進み方が違っています。学校を休んでしまった日も、ICT化により黒板やノートの写しを共有できると安心です。
平等で格差を生まない教育環境とするために、学校間でのICT化を統一することはできないでしょうか。
学校の先生は授業の進み具合や学習内容によって、どのようにICT機器を使うと効果的かを考えているため、使い方には違いがあります。
全ての授業でICT化を統一することは難しいですが、皆さんの学びを広げるため、学校へは授業で積極的に活用するよう伝えていきます。

児童生徒数は学校によって違いがあります。児童生徒数を急に増やしたり、減らしたりすることはできませんが、児童生徒の少ない学校と多い学校が交流をすることはできるはずです。
例えば、クラブ活動などで近くの学校と交流をすることはできないのでしょうか。交流をして視野を広げることで、いじめが減少したり、友達が増えたりすることにつながると思います。
また、自転車通学が認められている学校と、認められていない学校があります。地球温暖化により猛暑が続いていることから、熱中症対策のためにも自転車通学を全校で認めてほしいです。
学校間では、部活動の合同活動やオンラインの活用など、さまざまな交流が行われています。日課や距離の関係で制限される部分もありますが、教育委員会も交流を支援していきます。皆さんもさまざまなアイデアを、担任や部活動の顧問の先生に提案してみてください。
現在、市立中学校の自転車通学は、豊富中1校のみ認めています。豊富中は通学区域が市内で最も広く、通学距離が長いためです。その他の中学校は交通面での安全を考えて、徒歩による通学としています。最近の夏の暑さは過酷で、歩いて通学するのは大変だと思います。市立中学校ではネッククーラーや帽子、日傘の使用を推奨するとともに、体操服登校などの熱中症対策を行っています。
この子ども市議会を通して、全ての人が公平であり平等であるべきということが分かりました。私たちもこの市議会で学んだことを活用できるように頑張ります。これからも、このまちが全ての人に優しくする心を大切にして、いつまでも温かいまちになることを願います。
令和6年11月9日 船橋市子ども市議会

発議案は全会一致で決議
市政の責任者として、ここに決議された主旨を、十分にまちづくりに活かしていきたいと思います。また、皆さんから出されたさまざまなご意見やご要望を、一つでも解決、実現できるよう努力してまいります。今日、壇上で堂々と質問してくれた子ども議員の皆さん、議場でのやり取りをしっかり聞いていた姿を見て、皆さんがこれから未来へと向かって、さらに大きく羽ばたいていく船橋市の主役なのだと確信しました。皆さん一人一人が自分の住んでいるまちに愛着を持ち、将来「自分のふるさとは、この船橋だ」と実感できるよう、これからのまちづくりに積極的に参加していただきたいと、心から願っています。

「第11回子ども市議会」に出席した児童・生徒記者の皆さん
(最後列は左から、杉田 修 副市長、西水 徹 副市長、松戸 徹 市長、松本 淳 教育長)