身近なところでの野生鳥獣とのふれあいは、一見好ましい光景のように思えますが、野生鳥獣へのむやみなエサやりによって、様々な影響が考えられます。
人の生活に直接関わる問題として、定期的にエサやりが行われる場所に特定の鳥獣が集中してしまうことが挙げられます。それまで散らばって暮らしていたものが特定の場所に集中することにより、フンや鳴き声に関するトラブルが起こる恐れがあります。また、人に食べ物をねだるようになったり、ときには人へ襲いかかってくることもあるなど、人とのトラブルを起こす場合も考えられます。
人間が定期的にエサを与えることにより、野生鳥獣がエサをもらえることに頼ってしまい、自分ではエサが採れない、もしくは採ろうとしないものが出てきます。また、エサが容易に手に入るために、本来遠方に渡っていくはずの渡り鳥が渡りをやめてしまうという例もあり、野生鳥獣の本来の習性が変わってしまう恐れがあります。
野生鳥獣の数は、天敵の数やエサの量などによりコントロールされています。しかし、人間が栄養価の高い食物(パンやスナック菓子など)を与えることによって、適正な数を超え増加する可能性があります。その結果、元来その地域に生息していた他の野生鳥獣等に対する、生態系バランスを崩してしまう恐れがあります。
野生鳥獣は、自然の中で自然のままの食べ物を食べて生きています。むやみなエサやりを行わず、地域のあたたかい目でそっと見守ることが、生態系のバランスを保つとともに、人間とのトラブル回避につながります。私たちの暮らしのためにも、野生鳥獣のためにも、むやみなエサやりはやめましょう。