毎年春先は花粉症の相談が絶えません。

特に今年は、インフルエンザが大流行し粘膜の炎症をおこしている方も多く、更に関東では、昨年よりも10倍以上多く花粉が飛散すると言われているので、花粉症を新たに発症する方や、例年より悪化している方が多くいらっしゃいます。

漢方では人間の身体は、「衛気(えき)」と呼ばれる気の力で、外からの刺激から守られているとされています。

そのため本来は、多少の花粉くらいでは辛い症状にはなりません。

ところが衛気が不足していると、外からの刺激から守ることが出来ず、花粉症が起きてしまうのです。

衛気は飲食物から胃腸で作られるため、胃腸の健康はとても大切です。

睡眠不足、過労、そして生ものや冷たいもの、甘い物、油っこくて味の濃いもの、乳製品を多く摂る方は、胃腸が弱りやすく衛気を作る力が低下するため、この時期は特に注意が必要です。

漢方で衛気を増やすには、「黄耆(おうぎ)」がお奨めです。

黄耆は衛気を補い体質を改善するだけでなく、粘膜の修復や胃腸や肺を元気にして、水分の代謝を良くしたり、血液を増やしたり、肌をきれいにする力のある生薬です。

さらに防風(ぼうふう)、白朮(びゃくじゅつ)と組み合わせるとより効果的といわれています。

正しく選べば漢方薬は、一回の服用で違いが判ります。

辛い思いをしないで済むように、漢方薬で衛気を増やし、花粉症対策をしていきましょう。