昨日は習志野台公民館「墨の会」のお稽古がありました。
　いつものお稽古の後、墨象で遊んでみました。
遊んだなんて言ったら墨象作家さんに叱られてしまいますね（汗）
　墨象の不思議を皆さんと体験してみました。


墨象とは…
書の概念や領域を越えて、墨を用いた造形の美を追求する芸術と言われています。


　先ず固形墨を濃く摺り、沢山の水で薄めます。
そして和紙に1本線を引きます。
1本目の墨が乾かないうちに２本目の線を一部重ねて引きます。
　重なった部分は後から引いた線が手前側に見えるのかと思いきや、最初に書いた線が重ねて書いた線の上に見えます。

　私は今まで墨象を学んだことがなかったのでとても不思議だったのですが、先日TVで墨象作家で107歳までご活躍されていた篠田桃紅（しのだとうこう）さんの番組でその理由を理解することが出来ました。

　摺った墨は、水が和紙に染み込むスピードと墨の粒子が和紙に染み込むスピードが違い、水は墨の粒子より早く和紙に定着するのだそうです。
後に引いた線の水は先に引いた線の墨より早く和紙に定着するため、２本目に引いた線が1本目の線より沈んだように見えてしまうのだそうです。
　
　これからも生徒さん方には書を愉しんで頂くきっかけを与えられたら良いなぁと考えています。